人妻の脚に触れる

人妻の脚に触れる

元仕事関係の飲み会の二次会で、四人残った。前の二人は男性で、隣は四十代の人妻だ。自分はその会社を辞めてしまったが、他のメンバーは今でもそこに勤めている。
人妻の由美は会社の後輩で、結婚前からたまに飲みに行っていた。二人の子供と真面目な旦那に恵まれ、結婚してからも数年に一度の息抜きに付き合ってはいたが、震災を挟んで約束が流れてから、すっかり連絡を取らなくなってしまった。
久しぶりに会う由美は、相変わらずスタイルもルックスも良いいい女だ。以前は旦那の悪口など一つも出なかったが、今回は少し違っていた。酒の量も以前より増え、かなり酔っている。
右隣の由美の身体は心なしか、こちらに寄ってきている気がした。
高めのテーブルで腰辺りは前の二人からはみえない。偶然を装って、軽く手の甲を由美の左腿に当てる。二三度触れたが、話に夢中で構う暇は無いのか反応は無い。
座り直して、距離を詰める。
さて、どう仕掛けたらどういう反応が帰ってくるのか、ドキドキしながら右腕を下ろし、右手の指の背中を太股に当てて軽く押す。
避ける仕草をするか? 由美の左手が降りてくるか? 気配を探りながら、右手をゆっくりと前後に動かす。
(あれれ? 気づいてないってことは無いよな?)
由美との会話に加わりながら、指先をこちょこちょと動かす。あり得ない行為がするすると進んでいるドキドキ感に興奮してきた。
手を裏返して指の腹で太股を撫でる。ワンピースの生地は良い触り心地だ。
それでも、ぴくりとも由美は動かない。
バーの狭い椅子からはみ出ている太股の裏に沿って指を這わせて、尻の方まで撫でる。尻を撫でたかったが、後ろはバーのカウンターなので、店員から丸見えだ。カップルに見えたとしてもやり過ぎは良くない。
腰の辺りに手を戻して、パンティーラインをまさぐる。自分の股間は充血して、動悸は激しくなってきた。会話に混じってはいるが、正直身に入らない。
最早偶然という言い訳は通用しないタッチで太股を撫でる。完全に痴漢だよなと思いながらも、由美とは会社も別だし、それなりに飲んでいる友人でもあるので、いきなり拒絶は無いだろう。そのまま前に回して太股の上を撫でた。
今まで飲んだ帰りにちょっかいを出しても、軽くあしらわれる程度だった。その由美が男性を二人前にした席で、自分に脚を自由に撫で回されているのだ。
肯定はしないが否定もしない。ただ自分は由美の太股を自由に撫で回し、由美は黙ったまま触られている。
終電迄の二十分間。僕と由美は背徳の時間を共有した。
チャンスが有ればキスまで持っていきたかったが、他のメンバーと電車が同じで、由美と二人になるチャンスは無かった。
その後、ラインで普通にまたそのうち飲みましょうと、何事も無かったように会話は出来ている。
ぞくぞくするような背徳感。相手は明日には忘れているかも知れないが、今後の楽しみが出来た。焦る必要は無い。暖かくなったら、久しぶりに二人で飲みに行こうと誘ってみるつもりだ。

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