灰色の日々(3)離脱

灰色の日々(3)離脱

 歯医者に行く道すがら、喉の調子や鼻のつまりを確認する。そもそも、これを気にしすぎるのが良くない。
 受付を済ませると、診察室に通されて、診察用の椅子に寝た。
 しばらくすると、動悸が激しくなりそうな気配を感じたが、すぐにスーッと引いてしまった。
 のんびりした歯医者で、治療は一時間半ほど掛かったが、結局何の問題も無く、息苦しさは皆無だった。
(いやー、パキシルすげー!)
 小躍りしながら帰った。次回の治療も問題無く、歯医者への不安は徐々に薄れて気にならなくなった。

 歯医者の問題がクリアーになると、気になるのはED問題だ。
(前の様に、ED薬を出してもらって試してみるかな……)
 症状の進行と、同時期のあれこれを思い返してみると、パキシルを飲み始めた頃は大丈夫だったが、三十ミリグラムにしてから、本格的に駄目だったことに気付いた。
(そーか、さては、あいつか?)
 薬局からもらった薬の副作用欄にはEDになりますとは書いてはいない。だが、そもそも、脳の興奮状態を抑える薬なのだから、セックスの興奮も抑えてしまう効果はありそうだ。
 パキシルをもらいに、心療内科には二週間おきに通っていた。
「症状はどうですか?」
「はい! 歯医者への不安感は消えて、動悸も激しくなることはないです」
「薬が良く効いて良かったです。それでは今回も二週間分出しておきますね」
「先生、それなんですが、飲み始めてから、下の方が全然元気無くなり、EDみたいになってるんです」
 先生は、少し驚いた顔をした。
「そーなんですね。うーん、それでは少し減らして二十ミリグラムにしてみましょうか」
 歯医者問題もクリアー出来たし、そろそろこの薬の止め時だと考えていた。
「はい、それでお願いします。で、歯医者はそろそろ終わりなんですが、次まで結構開くと思うんです。薬は、一旦止めても問題無いですか?」
「そうですね。歯医者以外に症状は出ないようですし、それで問題無いでしょう。また行くときに不安を感じたら再開しましょう」
 薬局で処方箋を出し、美人の薬剤師さんから薬を受け取った。
「今回は、パキシル二十ミリグラムに減らされてますが、どうかなさいました?」
「実はEDっぽくなってしまって、減らしてもらいました」
「ああっ、そうなんですね」
 淡々とした会話だった。
 これで脱パキシルの準備は整った。今の歯医者には慣れたので、変えなければ不安感が再発することは無いだろう。
 そうと決めた翌朝から、飲むのを止めた。
 三日後、ふと思いついてAVを鑑賞したら、あれほどだんまりだった息子がピコンっと起っていた。
 久しく見る傘まで開いた松茸ちゃんだった。
 余りの久しぶりの充血感に感動して、鏡に写して鑑賞した。鑑に写した方が、傘の開きが見事に感じられるから不思議だ。
 可愛らしいそれを両手で擦り上げると、じわじわとした快感が腰から這い上がってきた。快感は日増に戻ってきて、エッチな夢も久しぶりに見られた。
 セックスの快感は、脳で感じていたということを痛感した。下半身だけあっても駄目だったのだ。
 歯医者は週一で通っていて問題は無かった。後はインポ野郎を脱するだけだ。

 明け方に目覚めた。股間はむっくりと起き上がっていて、自分より早起きの様だ。
 隣に寝ていた彼女の腰に股間を擦り付けると、彼女は横を向いて尻を向けた。腰を蠢かすと、股間は張り詰めてパンツを競り上げ、彼女のスウェット越しに尻肉の間に埋まって、その真ん中を擦り上げた。
 両手を前に回してスウェットの中に入れると、彼女はサラサラとしたベビードールを着ていた。そのシルク生地の上から、手に余るほどおおきな乳房をゆっくりと揉みしだいた。
「ああん、ああっ……」
 パンツ越しでも彼女の尻の柔らかさに肉棒は反応して立ち上がり、擦れるほどに快感が湧き上がって来た。
(おおっ、この感じ、久しぶりだ……)
 パンツを脱ぎ捨て、彼女のスウェットの下を脱がせて、パンティーを尻の半分まで降ろすと、隆々と立ち上がった肉棒を股間の間に当てた。
 手を下げて彼女の股間を軽く撫でた。久しぶりなのは彼女も同じだったらしく、既にとっぷりと濡れていた。
 傘は開き、蛇の頭の様に硬く張り詰めていた。片手で頭をサポートして、肉羽の間からクリトリスを掻くように腰を蠢かした。ぬめりは激しくなって、濡れた亀頭はプリプリの肉羽根の間を滑った。
 久しぶりの快感に我慢出来なくなってきた。肉棒を肉羽根の間に突き立てると、手で蜜の滴る部分に亀頭を半分埋めた。
 両足を前に出させて寝たままのバック状態で肉棒に蜜を絡ませるようにゆっくりと抜き差ししながら深く貫いて行った。
「ああっ、うそっ、凄い!」
 充血しきった肉棒は濡れた肉穴にキュンキュンと締付けられた。腰を蠢かす度に肉同士が擦れ合って、狂おしい快感の玉を脳に送りつけてきた。二人の息は荒くなり、腰の動きは徐々に激しくなった。
 パンパンっと尻に腰を打ち付けながら、彼女の細い腰から乳房を撫で上がった。
「ああっ、駄目よ! 逝っちゃうから! あん、大っきい! 大っきすぎる!」
 膣は激しく締まって、溜まりきったザーメンを吸い出すように蠢いた。激しい快感が陰囊から背中を突き抜けた。
「うおっ、逝くぞ!」
「ああっ、凄い! 気持ち良い!」
 激しく締めつける膣奥に、久しぶりの快感の精をどくどくと打ち付けた。

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