バス15 美女達の悪戯(1-1)
石井信夫はバスを降りると、バス停近くの小さな自動販売機で缶コーヒーを買い、水色のベンチに座った。
付近は下請け工業団地の一角で、道路を挟んで薄汚れた建物がひしめいていたが、反対側はかなりの長期間空き地になった場所に野草が伸び放題だった。それでも緑の野原を見ている方が、心は安らいだ。
射精を我慢したせいか、勃起はなかなか治まらなかったが、テントが目立たない程には落ち着いた。だがさっきのバス内でのセックスを思い出すと、直ぐに充血が始まりそうになった。
朝九時のオルゴールがあちこちで一斉に鳴り響く。それが静まりかえって鳥の囀りが戻ったのを確認すると、缶をかごに放り込んで立ち上がった。
コンクリート二階建ての建物の古びたドアを開けると、ギシギシと鳴る木造の階段を二階に上がり、営業部のプレートが貼られたドアを開けた。四席が一島となり、島が三つで一杯の部屋だった。受付と書かれた紙が貼られたカウンターの前に立っても、特に注意を払う人は居ない。
右奥の島の窓際に座っていた、紺色のスーツの立原由香が顔をあげると、小さく手招きをした。
バスでは密着していたのに、スーツの色に気付いていなかった。スーツの胸元からのぞく白いブラウスに包まれた豊かな胸に目が誘われた。
席は半分程埋まっていた。各島には白と黒の格子模様の制服を着た女性が座っていた。
信夫は上司から預かった書類を由香に渡した。
「これ、書類です」
「はい、ありがとう。そこ座って。今日はそこ空いてるから」
信夫は怪訝な顔をしながらも従った。
「石井君の上司には許可取ってあるから、今日は手伝ってね」
「あ、はい。わかりました」
何かと細かい雑用を頼まれて、一日はあっという間に過ぎた。由香の身体からは、時折甘い香りが漂って、近寄る度にばれないように大きく息を吸い込んだ。
目の前は制服のショートヘアーの若い女性で、制服から張り出す胸は大きかった。目鼻立ちは美しく、若くても色気を感じた。信夫は作業の合間にちらちらと視線を送った。
「石井君、今夜と明日は何か用事ある?」
「いえっ、特に何もありません」
「なら今夜、付き合うでしょ?」
「あっ、はい。もちろん」
由香は白い八重歯を見せてにこりとすると、信夫が気になっていた目の前の女性に声を掛けた。
「大泉さん、そろそろ行くわよ」
「はい。直ぐに支度して降りますね」
信夫は由香に連れられて、外に出た。彼女が同行するらしいことに、軽い疑問を抱きながらも心は弾んでいた。
二人は駐車場に向かい、赤いランドクルーザーのドアを開けて乗り込んだ。
「そっちから乗って。昨晩は飲み会だったから置いてあったの」
数分後に後部座席のドアが開き、白地に鮮やかなピンクや紫の花を散りばめたワンピースの女性が乗り込んできた。爽やかなコロンの香りが信夫まで届いた。
「大泉優子ちゃんよ。よろしくね。優子ちゃん、こちらは取引先の石井信夫さん」
信夫が振り向いて会釈をすると、優子も笑顔で応えた。八重歯が由香に似て愛らしかった。
由香は車を海に向かって走らせた。窓を開けると春の夕暮れの心地好い風が顔を撫でた。
途中、小さなスーパーで買い物を済ませ、港を左に折れて山道に入ると、切り立った岸上の道を走った。日は暮れて、真っ暗な道をしばらく走ると、左手の小さな新しい一軒家の前で車は止まった。
「ここが私のワンダーランドよ」
キッチンとそれにつながる洋室二部屋と広くはないが、昼間は海を見渡せるようで、静かで素敵な場所だった。
三人はキッチンから左側の部屋に集まって、軽いつまみを前にビールを開けた。
由香はスーツ姿のまま、ソファーに座った信夫の横に来ると体重をあずけて太ももに手を置いた。信夫は甘い香りと、柔らかな身体の感触に軽い目眩を感じた。由香の手が太股を撫でて、内側に入ってくる。ズボン越しでも、その快感に陰茎は直ぐ反応を初めた。由香の指が玉袋を下から掬うように撫で上げる。
信夫は快感を楽しみながらも、優子の手前で恥ずかしい、出来れば優子に近付きたいという気持ちが錯綜していた。それでも由香の手は心地好すぎて払うことは出来なかった。
優子は目の前の一人掛けソファーに座り、音を消したテレビを眺めていた。ワンピースの裾は短めで、しなやかな脚が延びて、むっちりとした太股が半分出ていた。
信夫は由香に股間を撫でられながら、優子の脚を視線で舐め上がった。ワンピースから覗く太股の間の暗がりに鼓動が早まってしまう。括れた腰には細く白いベルトが締められ、その上の大きな胸の盛り上がりが目を引いた。
優子がテーブルにビールを置こうと屈むと、ワンピースの胸元は大きく開き、垂れ下がるシルバーのネックレスの奥の白いブラジャーに包まれた大きな双球に、信夫は吸い込まれた。鼓動が早まって、陰茎にエネルギーが集まってくる。ふっと優子の顔が谷間を覗く信夫の視線を捕まえると、ニコリと微笑んだ。信夫は固まって、生唾を飲み込みながらぎこちない笑顔を返した。
優子は信夫から視線を外さないまま、両足をゆっくり開いた。ワンピースの裾が上がり、白く薄いパンティーに包まれた美女の股間の三角形が露わになった。上の方に少し黒く影っている部分は陰毛だろう。真ん中の縦に窪んで陰部が透けて見えた。
信夫は優子に吸い込まれそうな気がした。陰茎はズボンを押し上げて大きなテントを作った。由香の指先がそれを這った。
由香が信夫の視線に気付いたようで、視線を遮るようにテーブルに屈んで、小さなチーズをゆっくり取った。由香の姿勢が戻った時には、優子は脚を組んでいた。
優子はビール二本を空けると立った。
「じゃ、私、準備して待ってますね」
「うん、着替えは置いてあるからね」
由香の手がズボン越しに鎌首を撫でた。
「うふふ、気持ち良い? でもこれからもっと気持ち良くなるわよ。三分経ったら隣の部屋に来てね。一つだけルールがあるの。絶対に話さないこと。喘ぎ声は良いわよ。後はあなたの好きなように楽しんでね」
由香は甘い香りを振り撒きながら立ち上がった。
信夫は大きく息を吸い込んで、ズボンのテントを押さえながら大人しく待った。
頭の中で百八十を数えると、キッチンに出て隣の部屋のドアのレバーを押して開けた。
ランプは少し暗めだが、部屋の中はくっきり見えた。六帖ほどの部屋の半分はベットが占めていた。だが二人はそこにいない。
窓のある壁際に二人席用の緑の座席が縦に二つ並び、その前に銀色のポールのつり革が下がっていた。バスからそのまま切り取って来たようなリアルさがある。
二人は並んでポールに掴まりアイマスクをして立っていた。優子はセーラー服に黒の革靴で、由香は紺のスーツにハイヒールまで履いている。微かにバスのエンジン音が天井のスピーカーから鳴っていた。
信夫は玄関に戻って靴を持つと、部屋の濃い緑の床で履いた。静かに立っている二人を舐めるように見た。優子のセーラー服は紺のスカート、白の上衣に赤いリボンとバスの女子高生にそっくりだった。目はアイマスクで見えないが、あどけない雰囲気にピタリと似合っている。
信夫はどちらか悩んだ。先程まで目の前で仕事をしていた会話もしたことのない美女がすぐ前に立っている。股間の白い三角形が脳裏に焼き付いていた。まだ触れていないセーラー服姿の美しい優子の姿に鼓動が高鳴った。
(ああっ、やばい! こんな可愛くてスタイルのいい娘を自由に出来るなんて、めちゃついてる!)
左手の優子の後ろに立つと、つり革を掴んで腰を軽く尻に触れさせた。優子は黙って静かに立ったままだった。それがリアルさを引き立たせ、信夫は本当のバスで痴漢をするような気分になった。話したらリアルさが失われる。ルールの意味に納得した。
足を一歩前に出して太股で尻を押して、ゆっくりと擦り合わせるように動かす。垂れていた優子の頭が起き上がった。ショートカットの髪が鼻先で揺れて、甘酸っぱい香りが体内に流れ込んで来る。暖かく柔らかな尻肉を感じて、信夫の陰茎が反応を始め、ズボンの中でむくりと起きた。優子は小柄の割に、豊かな尻だったが、腰回りはほっそりと見事に括れていた。
信夫のテントは大きく膨れた。もう一歩前に出ると、パンツの中で陰茎は少しよじれていたが、そのままスカートを押し込んだ。太股が柔らかな肉に埋まった。暖かな少女の尻に陰茎が包まれる感じが良すぎて身震いした。右足を少し持ち上げて擦り合わせる。尻肉に挟まれた股間や、擦れ合う足の肉の柔らかさにズンズンと快感が響き渡る。腰を前に突き出すように押しながらゆっくりと回す。優子の身体も少しずつ柔らかくなって尻を信夫の腰に押し付けるように体重を預けてきた。
(ああっ、すごく気持ち良い。なんてプリプリした尻なんだ! このままおちんちんを出して押し付けたいなぁ)
淫らな気分はどんどん高まってくる。このまま陰茎を取り出したかったが、まだ早いと思い止どまった。
大泉優子はビールを飲んでいた時から、何時もより由香も自分も明るい気がした。
(由香さんがあんなに若い人を連れて来るなんて初めてだし、何か楽しそう。いい感じの人だし、私も何か普段と違ってるかも)
ここでは何度も頭の禿げ上がったオヤジに触られてウンザリしたが、今日は違った。由香に股間を触られている信夫の視線が自分を舐めるように見ていた。
(もう、由香さんとしたのかな? 奪ったら由香さん、怒るかもね)
優子は沸き上がってきた悪戯心を心地よく感じた。両脚を開きながら身体を軽く左右に動かすとワンピースの裾は上がって行く。信夫の視線は誘われるままに優子の股間に突き刺さり、生唾を飲み込む喉の動きが手に取る様に分かる。
(今日のパンティーは白で透ける奴だから、きっとあそこも見えてるかな)
そう思うと身体が心地好い刺激で火照って来た。信男の視線が痛いほど股間に突き刺さる。本当に触られているような刺激で股間がとぷっと潤むのを感じた。
女性経験は浅いようだ。その反応は新鮮で若々しく好感が持てた。
由香に気付かれ、視線を遮られたタイミングで立つと、痴漢部屋に移動した。普段なら由香に指示されないと腰を上げなかった。
セーラー服に着替えて、軽くコロンを振り撒いてつり革に捕まって立つ。妖しいお香が鼻から入ってくる。由香が隣に立った気配を感じる頃には頭が少し霞んできた。優子はまさに数年前までこの制服であのバスに揺られていた。そのバスの中で、後ろから由香や男達の手がスカートに延びてくるのを思い出すと身体がじんっと熱くなった。
背後に信夫が立って迷っていた。まだ誘うのは早い。優子は力を抜いたまま、その時を待った。
尻に何かが触れた。それはすぐに水を押し込まれた風船のように、固さと大きさと存在感を増してくる。優子の意思に関係なく、腰がそれを気持ちの良いポイントに誘うように蠢く。誘われるままにそれが押し込まれてくると、尻肉が開いてそれをくわえ込む。熱い固まりが動かされると、スカートとパンティーが擦れる微妙な震動が快感を産む。暖かな脚が尻を揉むように動く。股間が反応してジンっと潤むのを感じる。沸き上がる快感に下半身が満たされて、腹の奥がひくひくと疼く。それが波紋のように全身に広がっていき、小さな喘ぎ声となる。
(まださっき会ったばかりなのに、もう痴漢されてる。はぁ、いやらしい。なんて淫らなことしてるんだろう。でも、すごい、気持ちいい)
後ろの男の脚が一歩前に出ると、太ももからふくらはぎまで男の腰が密着して来た。ぎこちないながらも、がさつさはなく、動いて擦れる部分が気持ち良くて鳥肌がたった。
(いやん、なんなの? すごい! はぁ、ふくらはぎと太股とお尻がいっぺんに感じちゃう。身体の力が抜けそう)
優子はつり革に掴まりながら、後ろに体重を掛けると、熱い塊は尻の間を深く割り込んで、上下に動いた。
(はあん、いやっ、すごい!)
優子の身体は震え、快感を激しく散らしながら蠢いた。さぁ、これからっと気分が盛り上がって来たとき、すっと男の身体が離れた。
(KDP Selectサンプルとして公開)